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学会・研究活動
2012/10/30
創傷治癒を阻害しない抗炎症薬 〜シコニンとステロイドの対比〜
創傷存在下でのアトピー性皮膚炎に対しシコニンが有効であるかを検討するため、抗原能動感作アトピー性皮膚炎モデルNC/Ngaマウス、創傷モデルC57BL/6マウスを用いて実験を行った。
アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いてシコニンが抗炎症作用を示すことが確かめられた。
また創傷モデルマウスを用いた実験ではシコニンが無治療群、ステロイド投与群よりも優れた創傷治癒促進作用を示した。これらの結果からシコニンが創傷存在下でのアトピー皮膚炎に対しステロイド薬よりも優れた効果を示す可能性が示唆された。
今後、抗炎症作用と創傷治癒促進作用を併せ持ったシコニンの特性を活かし、アトピー性皮膚炎に対する新たな薬剤としての臨床応用が期待される。(第62回日本薬学会近畿支部総会・大会)